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太ももの付け根からカテーテルが入っていく時、
お腹のあたり、胸の中央など、大体、
今どこを通っているのかが感触でわかります。
そして、どうやら心臓に到達したと思われる頃、
ドクターはおもむろに「点(つ)けて」と指示し、看護師が、
胸部の上の大きなX線装置をオンにしました。
すぐ横の4つある大きなモニターには、
リアルタイムで自分の心臓の中が投影されました。
カテーテルがどんどん奥へ入っていき、
あちこちチェックしている様子も、はっきり見えました。
こういう体勢で2時間が経過し、
「はい、終わりましたよ−」という看護師さんの明るい声に、
ハッとしました。直前に打たれた軽い睡眠剤が効いていたのでしょうか。
カテーテルを抜き取った後は、角帯ほどもある太くて分厚いゴムで、
カテーテルを刺した箇所をしっかり固定しました。
苦しくて、腸がちぎれるのではないかと感じたぐらいです。
血管からの止血を確かなもものにするためとのことでした。
病室に運ばれ、そのままの状態で3時間は絶対安静となりました。
その間も心電図は取り付けられていて、
情報はリアルタイムでナースステーションに届いていました。
興奮状態から覚めないせいか、
心臓が時々イレギュラーに打っているのがわかりました。
それをチェックして、ドクターが来て、
「まだ残っていますね。けれども、この種の脈は致死的ではないので、
放置しておいて問題はありません」と言われました。
翌日、トレッドミルでの心電図で最終チェックをすると告げられました。
お昼頃のこの検査に合格したら、即退院してよいというのです。
トレッドミルの負荷と聞いたとたん、
病名がわかった時のあの悪夢のような体験が思い出されました。
もう一度死にかける体験はしたくないと思い、
出来そうにないと必死に断りました。
いざ、トレッドミルの上にのせられる時が来て、
前日のアブレーションの時の二人の先生が立ち会いました。
「絶対だめです。また死にそうになると思います」と言い張るわたしに、
「いや、大丈夫と思いますよ」と簡単に答えられ、
仕方なくベルトの上を歩き始めました。
負荷のレベルが上がっていき、もう、足がついていかない状態になりました。
「もう、だめ!」と言うと、これは単なる運動不足で、
心臓の機能とは関係ないと、あっさりかわされました。
結果は、やはり不整脈は出ていました。
しかし、以前のような致死的状況の、
止まらない頻脈ではありませんでした。
この程度の不整脈は誰にでもありますよ、
気になったらまた来てくださいと言われ、
わたしは死の恐怖から救われました。
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