車椅子に乗せられて

不整脈で死にかけました
不整脈の予兆
不整脈には
ニトロは効かない
車椅子に乗せられて
死の恐怖
心室性頻脈
アブレーション治療
アブレーション治療を受ける
治ったと思ったら・・・・
現在の生活






         
車椅子に乗せられて

心臓の専門医のもとで初めて受けたトレッドミルの心電図検査で、
心臓への負荷が二段階か三段階かに至った時、
突然、いつもの不快感を胸に感じました。

好奇心旺盛のわたしは、その頃は
すでにこの不快感にかなり慣れていたこともあって、
足を止めて、目の前の心電図のモニターをじっと見入ってしまいました。

そこに表れていたのは、それまでの規則性のある脈の波形ではなく、
子どもが落書きをしたような、
バラバラになってつながっているただの波線でした。

それが目に入ったとたん、自分の症状は想像以上のものだと直感しました。

 狭い検査室はその瞬間大騒ぎとなって、
一人の人は隣の部屋で診察中のドクターを呼びに走り、
看護師さんたちは車椅子を持ってきて、
まだトレッドミルのベルトの上にいたわたしの後ろに、ピッタリつけました。



「座ってください! 気分を楽に!」と腕を引っ張られました。
心臓はかなりバクバクしていました。ドクターが急いで飛んできて、
「はい、心配しないで。深呼吸をしてください。

大きく息を吸って、吐いてください」と、
何度も繰り返して言葉をかけ、その通りにすると、
次第に脈はおさまっていきました。

安静にするために外来患者用の部屋があり、
そこに連れて行くから、安心して車椅子にかけてくださいと、
何度も促されました。

わたしは依然として頑張って、いや、そこまで自分の足で
歩いて行けますと言い張りました。

しかし、さすがは医療関係者、「乗ってください!」というとどめの指示に、
仕方なく従いました。

座ったとたんに車椅子は動き始め、
外来の廊下の両側で順番を待っている患者さんたちが、
「かわいそうに。まだ50代じゃないの?」という表情で、
大急ぎで通り抜けていくわたしを見ているように思え、情けなくなりました。